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第十一回「4つの破片」

ミュージシャンほど口の軽い人間はいないと思う。
どんな些細な日常のことも自分の作品にして露呈してしまうし、自らが経験した恋愛の事情も相手に御構いなしに歌にしてしまう。

ネタがないときなんか友達の悩み相談までも参考に、ストーリーを作り上げて世に曝け出してしまうんだから。

だから本当に知られたくない秘密は、俺なんかには教えない方がいいと思う。

墓場まで持っていくつもりのものはない。

フォーピースという楽曲は、バンドマンに捧げている。

メンバーが失踪した、とか脱退したなんてよくある出来事だ。多少驚く程度。そんなニュースの方が、実はCDリリースやライブ告知なんかより話題になったりするから皮肉な話だ。

あちゃー。

なんて他人事のように言いながら、ネット記事を読んでるけど、内心誰だってドキドキしてる。夫婦生活がたった二人でも難しいと言われてるのに、バンドは3人4人5人の我が強い奴らが集まって生活してるんだから、何がいつ起きたって不思議じゃない。

それでも俺はツアーの機材車の中、深夜ふと目が覚めて見た星空が綺麗だったり、対向車線のライトに照らされて明るくなったり、暗くなったりするメンバーの寝顔とかを見たりするといつも思う。

俺らは1人が失踪するどころか、4人全員で退屈から"疾走"してるんだと。

ミュージックビデオは、とても寒い夜に海で撮影した。がらんどうの寂しい浜辺には、いくつもの漂流物が転がっていた。どこから来たのか、名も無き無秩序の物体は、波に流され、なんの縁か肩を寄せ合って潮風に吹かれていた。

日々のこと。

レコーディング直前で毎日顔を付き合わせて、音を鳴らしている。昨日は久し振りにミーティングを開き、俺らはどこに向かっているのかを話し合った。

かつてそれぞれが壊れて散らばった4つの破片は、なんの因果か今一つ集まり新たな集団を生み出している。

2月6日 1st Single 「フォーピース」発売。


P.S 昨日大好きなくるりの岸田さんに

「お前は何事もぬるいから、ヌルタチだ!」


と怒られる夢を見ました。

朝起きてから、ずっとギターを弾いて気を引き締めてます。

photo by 元 (HELL)

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