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第四回「三分で書き上げた散文」

書ける詞なら幾らでもある。歌えるメロディなら幾らでもある。
でも書けない詞、歌えないメロディを追い求めるから創作は時間がかかる。映画『キャストアウェイ』で、海に飛行機ごと墜落したトムハンクスみたいなことしてる。真っ暗な荒波に流され、溺れかけ、気失って、気づいたら浜辺に打ち上げられて独りぼっち。俺にとってのウィルソンは、これが無きゃ眠れないミッキーマウスの抱き枕。

高校2年生の秋の文化祭で、教室に設けられたステージでライブをやった後に、大手音楽メーカーに声をかけられてこの世界に入った。

早いか遅いかで言ったら異常に早いスピードで、階段をトントントンと三段飛ばして登らせてもらったと思う。事実上、仕事とかでも何でもない自分たちだけで活動する学生バンドの期間なんて、2年間あるかないか。

ある人はその境遇を、恵まれていると羨ましがるし、ある人は不憫だと同情してくれる。

自分的にはどっちでもなくて、どうせ過去に巻き戻しなんて出来ないんだから、まあこれが俺の人生かってぐらいに感じてる。スタジオ割り勘で借りて、ライブハウスにデモテープ送って、コンテストに応募して、みたいな日々、もうちょっと長くても良かった気はするけどね。
俺はロックバンド界の子役だ、なんてギャグを自分で言って自分でシラけて、虚無ってる。

虚無が曲を生み出す事もある。それで出来たのが最近の新曲、「ニヒリズム」。会場限定シングル。あ、宣伝しちゃった。気にしないでください。忘れてください。

僕の老後の夢は、埠頭の近くの静かな港町でバーを開いて、オープン前からフライドポテトをバケツ一杯分仕込んで、一夏の間拗らせた大学生2人の恋愛話を聞きながら、チェットベイカーを流すこと。そして、また夏が終わって皆がまた去っていくのを見送ること。はい、かつてハルキッズでした。その話はまたいずれ。

P.S 俺には拗らせた大学生の男の子ファンが結構いる。何を期待してんのか知らないけど、俺はギャルにモテたい。拗らせた大学生男子たちよ、ギャルに化けろ。

photo by Rio Nakamura

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