Return to site

第二十回「恋のお作法その1」

俺は、福神漬けを食う為にココイチカレーライスを喰らい、紅生姜を食う為に吉野家牛丼を頬張り、七味を食う為に富士そば「かけ」を啜り、カラシを食う為に崎陽軒シュウマイ弁当を買い、粒チョコを食う為にスイカバーを齧り、タバスコを食う為にドミノピザ・アメリカンスペシャルを宅配するのだ。つまり、我輩は稀代のエッセンスマニアである。本来の味わいは何処へやら。さじ加減が調整できる物に関しては、親の仇かってぐらいドバドバと投与し、メインディッシュを主役の座から引きずり降ろしてきた。

人はそれを「かけすぎ」と呼ぶらしい。

俺から言わせればお前らが「かけなさすぎ」だバカヤロウ。

決して誇れる飯の食い方ではないがね。ワハハ。

さて、恋に置き換えてみるとどうだろう。途端に俺は真逆のお作法になる。

みんな本来の恋愛の形を味わってるのだろうか。ちょっと不安だな。俺の飯の食い方みたいになってないか?と思う。ちょっと化学調味料入れすぎじゃない?味が濃すぎるよ。恋だの愛だのは遥か昔、原始人に毛が生えたぐらいの時代からあるというのに、iphoneだのラインだの既読だの極々最近出来た物に振り回されてないかい。1日なんて以ての外、何時間か連絡取れないだけでもう異常なんでしょ?喧嘩したりするらしいんだ。昔の人は、それこそ戦争中なんか一ヶ月だって一年だって永遠にだって連絡取れなくなってもお互い信頼したり愛し合っていたり出来てたと思うんだ。だから現代のみんなにもきっとできるはずだよ。電話やメールなんてそんなもの所詮、冷麺にかけるお酢みたいなもんだろう?エッセンスだよエッセンス。まぁテーブルの隅に置いてあるし、折角だからチョロっとかけて味が良くなればいいじゃない、ぐらいのもんよ。俺みたいにお酢だらけにして本来の味を汚しちゃって良いのかい、恋人たちよ。

俺からしたらみんなが電話の『かけすぎ』だヨ。お、うまくまとまった!

ああ夏だというのに、恋の仕方がわからない。全くもって分からないんだ。

俺は全然暑くも熱くもないんだけどさ。一応ね。残暑見舞い、でした。

p.s 世間では、「タピってる」という言葉が流行ってるらしいですが、僕は今日も「スピッてる」です。宇宙、幽霊、催眠術、都市伝説、などなどをロイヤル”スピリチュアル”ミルクティーに混ぜて飲んでいます。

photo by Rio Nakamura

All Posts
×

Almost done…

We just sent you an email. Please click the link in the email to confirm your subscription!

OK