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第三回「Remember Me Baby」

結構前の話になっちゃうけど、線路沿いのアパートに住んでた事もあったっけ。

その頃はまだ早寝だったから電気を消してベッドに入ると、終電間際の電車が通る度に結構なガタンゴトンて音と共に、何かに反射したライトが天井に模様を描きながら消えて行ってた。
最初はビックリしたし、慣れるまではちょっと怖かったけど、不思議なもんで一ヶ月も住めばそれも日常の風景となっていた。

眠れない夜はその光をボーと眺めて考え事をしたし、心地良く眠れそうな夜は、落ちていく意識の中で電車の音は子守唄のようだった。その室内の流れ星は一人で眺めてるのも良かったけど、二人で一緒に眺めるのもまた好きだった。

ペット禁止なはずなのに、いつも隣から犬の鳴き声が聞こえてたな。陽射しは早朝に3センチくらいしか入んなかったな。狭かったな。でも、結構気に入ってた。

ライブの時、会場BGMとか登場BGMって、当然それぞれバンドマンはこだわったりするけど、俺は昔から、何故かライブ後のBGMの方がこだわってしまう。自分たちが演奏を終えて、袖に向かうぐらいには背中で音楽が流れていて欲しい。少し大きめの音量で。そこから、お客さんがゾロゾロと物販なり、バーカウンターに向かったり、コインロッカーに向かったりと、帰り支度をするまでのあの時間を、俺が選んだ音楽で余韻に浸ってほしい。正直言うと、会場BGMはなんだって良い。みんなの気分が高揚してくれたら良い。どの口がほざく!と云う話だが、俺はあんまり激しくうるさい音楽を好まないから、会場BGMは責任持てない。

俺はあのライブ後の、魔法が解け始めてみんなが日常に戻って行く時間のが好きだ。

この前の秋ツアー。ファイナルの日だけ、終演BGMを変えた。それまで今回のツアーは、“秋”と“女の子”というテーマを個人的に持っていたので、静かで切ない女性シンガーのみのプレイリストを流していた。ただ、特に理由は無いんだけど、東京の千秋楽だけはガラッと変えて、男性シンガーの歌ばかりにした。女々しく秋と女の子について歌ったり喋ったりして来たから、なんとなく最後ぐらいは男っぽく行きたかったのかもしれない。
一曲目は、これもまた理由はそんな無く、どうしても山下達郎の洋楽カバーアルバム『ON THE STREET CORNER 1』から「Remember Me Baby」と云う曲を流したかった。強いて選曲理由を絞り出すなら、漠然と男の子が秋の夜に一人散歩してるイメージってぐらいかな。エレカシの「月夜の散歩」も流したしね。

すると、ライブを観に来てくれた友達から、

「ライブ終わってすぐ冬を予感させる曲を流したの、良かった。」

と褒めてもらえた。

全く意識していなかったのだが、よくよく考えてみると「Remember Me Baby」は確かに冬、と云うか“クリスマス”を匂わせる歌だ。俺は知らずに、秋のツアーのライブ終演と共に、秋から冬へと、みんなをお連れしたのだった。渋谷クアトロで、季節のチャンネルをカチっと回していたのである。映画『500日のサマー』のラストシーンみたいな小粋な事を無意識にやってのけてたみたいだ。指摘されて思わず、

「お、わかった?」

なんて、あたかも狙ったかのような小嘘をついてしまうあたりが、ジョゼフ・ゴードンになれない所以か。くそう、ズーイーはいつ観たって可愛い。名前の由来が『フラニーとゾーイー』から来てるなんて絶対俺と趣味合うはずなんだがな。『あの頃ペニー・レインと』での姉ちゃん役もエロくて最高だ。

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とまぁ、そんなことはさておき。だらだらと書いてしまったが、要はもう冬です。季節は変わりました。寒くなりました。冬は一人でいると、より寂しいです。遊んでください。

P.S

今日は、ライブで北海道は札幌に行きます。雪が降ったりしてるらしいです。最高気温が3度とからしいです。ああ、秋の僕とはまた来年お会いしましょう。秋の君と来年お会いできる日を楽しみにしております。


2018.11.26
古舘佑太郎

photo by Rio Nakamura

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